池大雅の十便図から「灌園便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「灌園便」は次のとおりである。
築成小圃近方塘 小圃を築成して方塘に近し
果易生成菜易長 果は生成し易く菜は長じ易し
抱甕太痴機太巧 甕を抱くは太だ痴なるも機は太だ巧なり
從中酌取灌園方 中より酌み取るが灌園の方なり
小さな畑を方塘の近くに作った、果物は実りやすいし野菜は育ちやすい、水瓶を持つ様は不器用でも動作は機敏、水を汲み取って散水するのがコツだ
詩は畑仕事のコツをテーマにしているが、この絵もその様子をよく再現しえている。畑で育てている野菜に向かって、老人が水をまいている様子が伸びやかに描かれている。
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