仁義なき戦いシリーズ第二作「広島死闘篇」は、副題にあるとおり、広島のやくざたちの死闘を描いた作品である。菅原文太演じる呉のやくざ広能は脇役で、主役は広島のやくざたち、とりわけ北王子欣也演じる若いやくざである。この若いやくざが、広島のやくざたちの勢力争いの中で、一歯車になり、次々と暴力沙汰を繰り広げた挙句、最後は警察官に取り囲まれて、拳銃で自殺するというものである。この若いやくざと刑務所の中で知り合った広能は、蔭に日になって面倒を見てやるが、外の土地のやくざの抗争に深いかかわりを持つわけにもいかず、いわば見殺しにするというような展開になっている。やくざの世界には、義理も人情も通じない、むき出しの暴力だけが物を言う、そんなふうに思わせるところが、相変わらずこのシリーズのすごいところだ。
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