池大雅の十便図から「樵便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「樵便」は次のとおりである
臧婢秋來總不閒 臧婢秋來總て閒かず
拾枝掃葉滿林間 枝を拾ひ葉を掃ふ滿林の間
抛書往課樵青事 書を抛って課に往く樵青の事
步出柴扉便是山 柴扉を步み出れば便ち是れ山
女中は秋以降来てくれないので、自分で林の中で枝を拾い葉を払う、書物を擲って樵の仕事に出けかようと、柴の門を出ればすぐ前は山である
薪拾いをテーマにした詩で、絵もその雰囲気をよく伝えている。絵の中の人物は、背中に薪を背負って、渓流にかかる橋を渡っている。仕事へ出かけるのではなく、一仕事終えて戻ってきた様子である。
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