防夜便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「防夜便」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「防夜便」は次のとおりである。

  寒素人家冷落村  寒素たる人家冷落の村
  只凴泌水護衡門  只泌水に凴り衡門護る
  抽橋斷卻黃昏路  橋を抽して斷卻す黃昏の路
  山犬高眠古樹根  山犬高く眠る古樹の根
貧相な人家からなる零落の村、湧き水をたよりにして粗末な門で守られている、黄昏時になると橋を引き上げ外界から遮断するので、山犬も古樹の根もとで安心して眠る

寒村の夜の守りをテーマにした詩だ。寒村のイメージに、詩人の隠居を重ね合わせているのだろう。絵では、その村の粗末な門が描かれている。門前の水の流れは、泌水というより小川のようである。







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