眺便:池大雅の十便図

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池大雅の十便図から「眺便」図。もととなった李漁の漢詩「伊園十便」のうち「眺便」は次のとおりである。

  叱羊仙洞赤松山  羊を叱す仙洞赤松の山
  一日雙眸數往還  一日雙眸數しば往還す
  猶自未窮千里興  猶ほ自づから未だ千里の興を窮めず
  送雲飛過括蒼間  雲の飛び過ぐを送る括蒼の間

羊飼いの初平が仙人になって赤松と号したという山、日に何度もその山を往来す、まだ千里の興を極めてはいないが、雲が飛び去るさまを見送っては楽しんでいる括蒼のあたり

羊飼いが道教の仙人になったという故事を踏まえた詩。赤松は仙人の号。括蒼は地名だろう。この絵では、一人の老人が遥かな山を眺め上げている。その山は仙人の住む山なのだろう。







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