二人が第三圏を下りて第四圏に入ろうとすると、その入口にプルートーが控えていて行く手を阻もうとする。それをヴィルジリオが一喝して二人は先へと進む。
パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ、聲を嗄らしてプルートは叫べり、萬のことを知りたまへるやさしき聖
我を勵まさんとていひけるは、汝おそれて自ら損ふなかれ、彼にいかなる力ありとも、汝にこの岩を降らしめざることあらじ
またかの膨るゝ顏にむかひいひけるは、默せ、冥罰重き狼よ、その怒りをもて己が心を滅ぼし盡せ
かく深處にゆくは故なきにあらず、こはミケーレが仇を不遜の非倫にかへせる天にて思ひ定められしなり
たとへば風にはらめる帆の檣碎けて縺れ落つるごとく、かの猛き獸地に倒れぬ
かくして我等は宇宙一切の惡をつゝむ憂ひの岸をすゝみゆき、第四の坎に下れり(地獄篇第七曲から、山川丙三郎訳)
絵は、地獄の第四圏の入り口を見張っているプルートーと、彼の前に立っているヴィルジリオとダンテ。
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