頭の少しおかしな連中を頭の大いにおかしな人が糾弾する

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新国立競技場の設計過程で、聖火台の設置が想定されていなかった問題で、批判の矛先になっている大会組織委員会の森某会長が、身内とも言うべきラグビー関係者の会合の席で、大いに反論したそうだ。森会長によれば、今回の問題の責任は組織委員会ではなく、建設の事業主である日本スポーツ振興センター(JSC)と馳浩文部科学相にある。とくにJSCの責任は大きい。こういう「少し頭のおかしな連中が、聖火台を忘れた設計図を作った」と言って、自分たち組織委員会は被害者だと言わんばかりだ。

JSCは確かに「少し頭のおかしな連中」かもしれない。しかしそう言う森某会長はどうなのか。森会長は、「日本は神の国である」と言ったり、ヒラリー・クリントンの亭主に向かって、「俺もヒラリーの亭主だ」と言ったりしたと噂されている。そんなことを言ったり噂されたりするということは、大いに頭のおかしな人間でもなければ、普通はありえないことだ。

その大いに頭のおかしな人が、少し頭のおかしな連中に向かって悪態を垂れている、という感じがこの見世物からは伝わって来る。森某会長としては、自分だけが悪者にされていることに腹を立てているのだろうと思う。しかし、腹を立てたからと言って、自分の責任にかかわる問題を帳消しにすることはできまい。なにしろ今回の事態は、大会組織委員会とそのトップである森会長に最大の責任があるといってもよいのだから。

この問題を巡っては、政治学者の御厨貴氏が、さるテレビ番組で、組織委員会の無責任がこの事態を招いたと指摘していた。大方の人もそう思っているのではないか。しかし森会長にはそうは思えないらしい。だから、自分の不手際は棚に上げて、他人のことばかり糾弾したくなるのだろう。困ったことだ。





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