蕪村の十宜図から「宜風」図。もとになった李漁の漢詩「伊園十宜」のうち「宜風」は次のとおりである。
鳥歸花樹蝶過墻 鳥花樹に歸って蝶墻を過ぐ
花與鄰花貿易香 花と鄰花と香を貿易す
聼罷松濤觀水面 松濤を聼き罷みて水面を觀れば
殘紅皺処又成章 殘紅皺む処又章を成す
鳥が花木にとまり蝶が垣根をよぎる、花がたがいに香りを競い合う、松のうねり声を聞いて水面を覗き観ると、咲き残った花の色があでやかに映っている
山荘を囲む木々が風をうけて葉を揺らしているように見える、右端には松の木が二本、これも風をうけてうなり声をあげているのだろう。風の強い冬の風景を描いたようである。
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