上の写真は、ドナルド・トランプがツイッターに載せたものだ。左がテッド・クルーズの妻ハイディ、右がトランプの妻メラニアのイメージだ。メラニアは若々しい女性として見え、ハイディは鬼婆のように見える。イメージに付されたコメントには、「ばらすまでもない・・・百聞は一見に如かず」とある。
総体的に見て、このイメージがクルーズの妻を貶める目的で作られていることがわかる。実際これを見たアメリカ人もそう受け取ったようで、トランプの悪質な女性蔑視を非難する声が巻き起こっているそうだ。
女性の外見をもとに、その人の人格まで攻撃するこうしたやり方は、普通の感覚の人間なら躊躇するところだろう。ところがトランプにとっては朝飯前ということらしい。いままでにも、下品な言葉で、自分の気に入らない女性を罵倒し続けてきた。だがかりにもトランプは、アメリカ合衆国大統領の有力候補だ。その男が、こんな露骨な女性差別を行っているのは、どうみても尋常な眺めではない。
実はこれには因縁があった。クルーズを支持するスーパー・パックが、トランプへのネガティヴ・キャンペーンの一環として、トランプの妻メラニアの若い頃のヌード写真を持ち出して来て、彼女をファーストレディにしたくない人は、テッド・クルーズに投票を、と呼びかけた。これを見て頭に来たトランプがただちに反撃を仄めし、お前（クルーズ）の女房のこともばらしてやる、と予告していた。これはその予告を実現したものらしいのだ。コメントに「ばらすまでもなく」とあるので、そう推測できる。
それにしても、共和党の内輪もめは、ひどい様相を呈してきた。クレージーと言ってもよいほどだ。この調子では、大統領選の本番で女性票が共和党から逃げて行く、そう共和党のエスタブリッシュメントは恐れているという。
（参考）Donald Trump can't stop saying nasty things about women. It could cost him. By Jose A. DelReal and Jenna Johnson : WP
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