妙心寺退蔵院:日本の寺院庭園

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日本最大規模の禅寺である妙心寺は、康永元年(1342)に創建され、四十六もの塔頭からなる。広大な寺域は、石畳で結ばれた寺町を形作っている。その中には仕舞屋もあり、大徳寺以上に寺町らしい雰囲気を漂わせている。退蔵院は、塔頭のなかでも最も歴史が古く、応永十一年(1404)に建立された。

庭園は、方丈西側の通称元信の庭と呼ばれるものと、南側に展開する余香苑とがある。元信の庭は、室町時代に作られた枯山水庭園。絵師であった狩野元信の作庭と伝えられ、絵画的な意匠が特徴だと言われる。枯滝、蓬莱山、亀島などを調和良く配し、室町時代の庭園を代表するもののひとつだ。

上の写真は元信の庭。手前に石の手水鉢が見られる。

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この写真は同じ元信の庭の奥のほうを写したもの。白砂の上に石組みと植栽を調和よく配しているところが美しい。

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これは、方丈の南側の庭。土の上に苔を敷き詰めている。

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余香苑は、中野金作が作庭したもので、昭和の名庭との評価が高い。池泉回遊式庭園と、陰陽ふたつの石庭からなる。この写真は、陽の庭と呼ばれる石庭。

妙心寺の南門は、JR花園駅から徒歩数分のところにある。門をくぐるとその先には大伽藍が一列に立ち並び、その左手に退蔵院の入り口がある。






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