南禅寺天授庵:日本の寺院庭園

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天授庵は、南禅寺の開山大明国師創建になる開山塔として歴応三年(1337)に創建された。山内でもっとも由緒のある寺である。文安四年(1447)の南禅寺大火以降荒廃したが、慶長七年(1602)細川幽斎によって再興され、それ以後細川家の菩提寺のような形となった。寺内の墓地には細川幽斎夫妻はじめ細川家の墓が多くある。

庭園は、慶長七年の再興の際に同時に整備されたと推測される。本堂前庭(東庭)と書院南庭ならなる。東庭は枯山水で、正門より本堂へ続く幾何学的な石畳を中心とし、その周囲に苔をあしらっている。

書院南庭は、庭園の構想や地割からして、鎌倉末期から南北朝時代の特徴を備えていると指摘されている。その特徴とは、池の中央の出島を巴形に配置することで、池を東西に区切っていることなどである。

上の写真は、本堂前庭。正門から本堂に向かって、幾何学的な模様の石組みが導線として伸びている。

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これはその石組みを拡大したところ。菱形の石を連ねたものと、細長い石でできたものとが並び、石の周囲には苔が植えられている。なお、この導線の周囲は白砂で蔽われ、その外側に植栽と石組みが配置されている。

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書院の南側に広がる池泉回遊式の庭園。

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これは、池の一角から沸き出る清水。







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