受胎告知:レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画

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「受胎告知」は「カーネーションの聖母」とともに、レオナルドの最初期の作品とされるが、レオナルドが単独で描いたのではなく、ヴェロッキョの工房における共同作品だろうと考えられる。

全体の構図や、天使の体、背景の風景などはレオナルドの関与が認められる。天使の腕については、レオナルドの真筆のデッサンが残されているので、ほぼ間違いないだろうといえる。しかし天使の羽は、別の画家が描いたのだろうと推測される。

横長の構図のうちに、石造りと思われる建物を背景にして書見台を前に座っているマリアと、彼女に向かってひざまずく天使ガブリエル。建物の描き方には、厳密な透視法が施されている。

前面と背景との間に低い壁を配し、その壁の一部を中断させているが、その部分が全景から背景へと視線を誘導する仕掛けになっている。背景には茫洋とした雰囲気の山地のラインと、明確な輪郭をもった樹木とが著しいコントラストをなし、絵に劇的な効果をもたらしている。(板に油彩とテンペラ 78×219cm
ウフィチ美術館)






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