いつまで生きているつもりだ:麻生太郎老人が先輩老人を侮辱

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安倍政権の副総理大臣の椅子に座っている麻生太郎氏が、先日(6月17日)に行われた講演会で、90歳の老人を話題に挙げて、「いつまで生きているつもりだ」と発言した。彼の失言癖は珍しくもなく、これもその一つとして受け流す向きが多かったが、なかには厳しく批判するものもいた。そうした批判に対して彼も反論した、自分には侮辱するつもりなどなかったと。ではどういうつもりでこんなことを言ったのか、わかりやすい説明はなかった。あたかもこれは自分の本音を言ったまでで、侮辱などというものではない、と言いたいかのようだ。

彼は老人一般を非難したわけではなく、老人の中でも社会の役に立っていない者を批判したのだと言いたいようだ。例えば講演会で言及した老人にしても、90歳にもなってまだ老後のことを心配している。そんなことを心配するより、持っている金をどんどん使って、消費の拡大に貢献すべきだ。それなのに金を貯めこんで、まだ老後の心配をしている。そんな心配をしているひまがあったら、とっとと死んでもらいたい。そう言いたかったようだ。

彼は数年前にも、役立たずの老人はさっさと死ぬべきだ、という趣旨の発言をして強い批判を招いたことがあった。今回もその延長上にあるものだろう。彼にとって、役立たずの老人がいつまでも生きているのは腹立たしいことなのだろう。自分も老人ではあるが、自分は自分なりに社会の役に立っている。そういう立場から世間の老人たちを見ると、役立たずの老人はまともな老人の面汚しだ、と言いたいかのようだ。

役に立たない老人は早く消えてゆくべきだという意見が社会の多数派になれば、そのうち「無用老人安楽殺推進法」でも作って、社会全体で役立たず老人を排除しようという傾向が生まれてくるかもしれない。そうなれば、もっとドラスティックなことになるのは目に見えている。重度心身障害者などは、役立たず老人よりももっと役に立たないばかりか、社会にとって却って死重となっている。だから彼らもまた速やかに抹殺されるべきだということになるのは必然だ。

これはナチスの優生思想を思い起こさせる。麻生太郎氏は「ナチスの手口に学んだらどうか」と公言したこともあるから、もしかしてナチスの優生思想を共有しているのかもしれない。そうだとすれば、彼が、役立たずは早く死ぬべきだというのは、なんら不思議なことではない。





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