太陽が三つある惑星:HD 131399ab

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太陽が三つある惑星が発見された。ケンタウルス座の方角約340光年の距離にある惑星HD 131399abだ。イメージ図(K. Wagner et al)にあるように、中心部に大きな恒星があり、そこからかなりの距離を置いて、双子のような二つの恒星が絡み合いながら中心部の恒星の周囲を回っている。この中心の恒星と双子星の間に挟まれた空間に、この惑星は存在している。

我々の感覚では、恒星というものは太陽のように孤立しているのが普通だと思うが、実際にはそれは少数派で、銀河系の中の半数以上の恒星は、一つないし二つの他の恒星とセットになって存在しているという。そうした恒星システムのうち一割くらいは、惑星を含んでいると考えられているから、今回の発見はそんなに珍しいものではない。珍しいのは、この恒星システムが、地球から近いということもあって、望遠鏡で観察可能だということだ。それ故、今後研究が進むと期待される。

イメージ図からも容易に推測できるように、この惑星は、内側にある大きな恒星と、外側にある双子の恒星と、両方の引力の影響を受けている。相反する力を受けているわけで、この惑星は非常に不安定な状態にあると考えられる。それ故、発見者はこの惑星がいづれ消える運命にあるかもしれないと考えているようだ。

その運命とは、中心部の恒星の引力にひきつけられて、その恒星と合体してしまうこと、あるいは引力のバランスがくずれて恒星システムの外部にはみ出てしまうことのいづれかだ。宇宙空間には、親星を持たないはぐれものの惑星が数多く存在しているというから、この惑星も同じ運命をとたどる可能性が高いと、研究者たちはみているようだ。

ともあれこの惑星は太陽が三つもあるおかげで、きわめて複雑な気象が支配していると考えられる。ある時期には夜のない日々が続き、そうした日々には地上には三重の影が落ちる、といった具合だ。





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