この世の地獄で金を巻き上げられる:デンマークに来た移民たち

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デンマークへの移民を希望して入国を試みたイラン人5人がデンマーク当局に身柄を拘束されたあげく、所持していた現金の一部(合計8万クローネ分)を没収されたそうだ。デンマークでは、移民が1万クローネ(約15万円相当)を超える現金を所持している場合には、限度を超える額を没収できるという法律が施行されたばかりで、これはその適用第一号ということらしい。

この記事を読んだとき、筆者は暗澹たる気持ちになった。どんな事情があるにせよ、希望を抱いてやってきた人々から金を巻き上げるとは、地獄の渡守でも赤面するところだろう。巻き上げられた移民希望者たちは、天国をめざしてやってきたつもりが、地獄でなけなしの金を巻き上げられた形だ。

こんなことが祖国でまかり通っていることを知ったら、キルケゴールやアンデルセンも、草葉の陰で泣きたくなろうというものだ。

一万クローネがどれほどの価値があるのか、筆者にはくわしいことはわからぬが、大金でないことはたしかなようだ。移民にたいしてそれ以上の金を持ってはならぬと強制するのにどれほどの理由があるのか。加えて、それ以上の現金を没収するということにどれほどの根拠があるのか。これも筆者にはまったくわからない。





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