社会の迷惑である障害者は安楽死させるべきだ! 相模原事件の衝撃

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相模原市の障害者施設で起きた重度心身障害者の大量殺害が社会に衝撃をもたらしている。事件を起こした犯人がこの施設に勤めていた福祉関係の職員であったこと、殺された障害者が十九人にものぼり、その他に二十数名の障害者が重軽傷を負わされたこと、それらの障害者の殆どが深夜寝ている間に、全く抵抗もできない状態で次々と首をナイフで掻き切られて殺されたり重傷を負わされたこと、凶行の間施設の職員が捕縛されて身動きできない状態に置かれていたこと、どれをとっても陰惨極まりない犯罪だ。日本の犯罪史上過去に例のないものであり、日本もついにここまで来たかと国民誰をも慄然とさせるものだ。

犯罪の手口以上に国民を驚愕させたのは、犯人が自分のなした行為を全く後悔していないこと、それどころかある種の達成感を持っていることだ。自分は悪いことをしたわけではない、社会にとって迷惑な人間を安楽死させただけであるし、その点では社会に有用な行為をしたのであり、障害者にとっても、無駄で意味のないき方をやめさせてやっただけのことだ、そういう傲慢な姿勢が伝わって来る。

これに関して一部のメディアは、これはテロだから断固戦うべきだなどと言っているが、テロと言うのは、不特定多数の人々を無差別に殺すことで、標的とする当該社会を不安と恐怖に陥れることを目的としたものだ。そうした定義に従えば、この凶行をテロと言うわけにはいかない。殺された人々は特定の障害者であり、殺した人間はそうした人々をよく知っていて、しかも彼らを安楽に死させてやったという認識を持っている。そうした行為に対しては、テロと言う概念も、ヘイト犯罪という概念も当てはまらない。思想的な確信にもとづいた凶悪犯罪としか言いようがない。

この犯罪者の頭のなかでは、障害者を安楽死させることは、正義の行為だという認識があったに違いない。だから、いささかの良心のやましさも感じずに、あたかもビジネスを遂行するように、淡々と障害者を殺せたのだと思う。

こうした考え方の背景には、障害者や金の無い老人のような無用の人間は、すみやかにこの世から消えるべきだという思想があるのだろうと思う。そうした思想なら、何もこの犯罪者だけに特有のものではない。たとえば、今の安倍政権の某副首相などは、無用の老人などはいつまで生きていないで早く死んでもらいたいと公言している。そうした考え方からは、重度の障害者などは、全く生きる価値がないということになりかねない。

重度障害者にしろ、金のない無用老人にしろ、そういう人間たちでも生きる価値があると考えるのは、人間の尊厳という価値観に基づいてのことだ。人間には、いかなる事情に関わらず、誰もが生きる権利がある、そうした考え方があって、はじめて成り立つこの思想は、現行憲法にも、個人としての尊厳と幸福を追求する権利という形で規定されている。ところがいまの安倍政権は、こうした権利を行き過ぎだとして、制限するような方向で憲法改正を目論んでいるようだ。安倍政権がそう目論むのは、将来徴兵制の導入が現実化した時、現行憲法の規定がその制約となるのを恐れてのことで、まさか障害者や無用老人の権利を全面的に否定するのが本意ではないと思うが、それでも人権軽視の印象は否めない。政権を担う連中が人権軽視を当然のこととすれば、もともと人権に鈍感な連中を、人権蹂躙に走らせるのは自然の勢いというべきだろう。

こんな訳で、今回の事件は、人権をめぐる日本国民の意識に一定の問題を投げかけたのではないか、そんなふうに思われる。






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壺斎様
 相模原事件の罪と罰<障害者はいなくなればよい>と言い放つ犯罪者。
殺害された人は19名、けがを負わされた人20数名戦後最悪の殺人事件だと言われている。
 どう考えたらいいのだろうか。
 この犯罪者は、脱法ハーブを使用し、大麻を吸引したことがあり、刺青をしているという。そして小学校の教員志望だったという。教育実習では生徒に慕われていたという。夢やぶれて、この犯行現場となった障害者施設に就職した。ここで障害者の人々に出会ったのである。
 父親は小学校の教員で、母親と親子三人がこの施設の近くの一軒家で生活をしていたが、両親は八王子に引越した。そのため一人で生活していたらしい。三人で生活していた当時、大きな声が聞こえ、家庭内暴力あったようだと近所の人が言っている。
 犯行前に衆議院議長あての手紙を書き、それを議長に渡そうとしたがこばまれたようだ。この予兆があったのに防げなかったのは痛恨の極みである。
 現在は、誰もが犯罪者に変貌していく可能性がある。社会システムが悪いのか、政治が悪いのか、倫理教育がきちっとされていないのか、宗教に救いを求めるべきか・・・・・・・
 人の心という畑に悪い種子が蒔かれないようにただ祈るのみです。
 2016/7/27 服部 

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