
池大雅は若い頃から絵の才能を発揮して、二十代の前半で傑作を描いている。特定の画風に限らず、さまざまな画風を学んだ。なかでも中心となったのは南宗画であり、この画風を洗練してゆく過程を通じて、彼独特の文人画といわれるものを創造していった。
「風雨起龍図」と題するこの絵は、馬歯二十四の年(延享三年)の作品。激しい風雨のなかをついて龍が昇天するところを描くとともに、山荘の中で高士が一人机に対しているさまを描くことで、静と動との対比を浮かび上がらせている。
画面の構成に雑然としたところがある点、樹木の線にやや堅いところがある点など、稚拙なところも指摘されているが、南宗画の雰囲気は出ているといえる。(148.0×41.0cm 紙本淡彩)

これは上部の山の部分を拡大したもの。岩肌の様子を米点で表現するところは米芾の画法に学んだのだろう。画面右手には、昇天する龍が描かれている。
壺斎様
今度からは池大雅ですか。楽しみにしています。名前はよく聞いていても作品は全く見ておりませんし、彼がどのような生き方をしたのかも知りません。
若く、激しい絵ですね。大変な才能の持ち主であることを思わせてくれます。
米芾は書家でも有名な人ですね、中国の影響は大きいですね。
2016/8/3 服部