新しいランニングシューズで歩く

| コメント(0)
ネットで注文していたミズノのランニングシューズが届いたので、早速履いて近所の公園を散歩してみた。ところがどうも足に馴染まない感じがある。密着しすぎていて圧迫感を感じるのだ。いままではミズノ以外のブランドを履いていて、サイズに違和感を感じたことは無かったのに、これはどうしたことか。実は先日村上春樹のエッセーを読んでいて、シドニーで買い求めたミズノのランニングシューズが実に快適で、さすがは日本のメーカーだ、日本人が履きやすいように念を入れて作ってある、と褒めていたのを読んだのがきっかけで、サイズを実地で確認することもなく、衝動的に、ネットで注文してしまったのだったが、どうも思慮が足りなかったようだ。

この公園は、一周1100メートルのジョギングコースを設けてある。このコースは筆者のような老人が散歩するのにも好都合だ。だから筆者は毎日この公園に出かけて行っては、このジョギングコースをやや早足に歩き、体調がよいときにはジョギングを交えたりしている。今日はこのコースで、珍しく中学生の集団と遭遇した。給水ポイントに差し掛かった時、中学生の集団約40名が、教師の指示に従って4~5名の小集団に別れ、それぞれが一定の間をおいて走り始めたのだった。中学生と雖も、体格が良い。身長は170mを超え、すらっとしている。まだ子供だから筋骨隆々というわけではないが、健康そのものといった雰囲気を感じる。自分にもこんな時期があったのかあ、と思いながら、彼らとコースを共有した。といっても、筆者は下したばかりの履きなれないランニングシューズで歩き、彼らは溌剌と走る。彼らの足もとを見ると、それぞれカラフルなランニングシューズを履いている。筆者のように黒一色の野暮な靴ではない。

そのうち、筆者と同じような年頃の老人が、筆者の後ろから走って来て、筆者を追い抜いて行った。その老人の足もとを見ると、やはりカラフルなランニングシューズを履いている。このコースを走るには、やはりカラフルなランニングシューズが似合うのかなあ、と思いながら、靴のサイズが合わないのと、色が野暮ったいのにがっかりながら歩き続けた次第だった。

コースを三周して先程の給水ポイントに差し掛かる。そこには女子生徒が三人待機していて、男子のために水の補給をしている。最初のうちは誰も水を欲しがらなかったが、筆者が三周して戻ってくる頃には、男の子たちは七周ほどは走っているはずで、さすがに喉が渇いたと見え、女子生徒から水の入ったペットボトルを受け取るものもいる。中にはそれがきっかけで走る意欲を失い、脱落する生徒もいたが、殆どの生徒たちはそのまま勢いよく走り続けた。おそらく10周くらいするのだろう。

コースを散歩している人には、色々なのがいて、中にはコースのど真ん中に二人で立ちふさがって、長々とおしゃべりをしているおばさんもいる。そういう人は、自分たちのおしゃべりに夢中になって、周りのことが全く気にならない。生徒たちが次々と走り過ぎて行っても、彼らのために道をあけてやろうなどとは思いもよらぬらしく、全く何事もないかのようにおしゃべりを続けたのだった。世の中ほんとうに色々な人がいるものだ。

ところで、筆者が中学生時代には、あまり運動をした思い出がない。もしこの子たちのように運動に励んでいたら、もっとスマートな体形になっていたかもしれない。なにしろこの子たちを見ると、ギリシャ神話に出て来る若者を見るようなのだ。

結局筆者はコースを三周半したところで引き上げた。その頃になっても、ランニングシューズは足に馴染まなかった。歩くようにはできていないのかなあ。そんなことはないだろう。





コメントする

アーカイブ