太陽系に最も近い恒星系の惑星:Proxima Centauri b

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ケンタウルス座に位置するプロキシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri)は、太陽系に最も近い(約4.3光年)恒星系として知られており、そこには十個程度の惑星の存在が推測されていたが、この度、そのうちの一つが、国際天文学研究機関ESOのチームによって発見された。この惑星は、親星の名にちなんで Proxima Centauri b と命名された。

親星は、太陽の八分の一の大きさで、明るさは太陽の七分の一しかない赤色矮星だ。親星自身も肉眼では確認できないので、惑星はなおさら発見がむつかしい。だから今回の発見は非常に大きな意義を持つと言える。

この惑星は、地球と太陽との距離よりもはるかに短い距離の軌道をまわっている。そのため公転周期はわずか7日である。親星の温度が低いために、いわゆるハビタブルゾーンは親星の近くに寄っており、この惑星もそのゾーン内にあると考えられる。ということは、地球と4.3光年しか離れていないところに、地球とよく似た環境の惑星が存在するということになるが、いまのところ、その惑星の構成成分や水の有無など詳細はわかっていない。もし岩石でできていて、表面を水の層で覆われていれば、地球と同じような生物が存在している可能性が高いということになる。

4.3光年というと、人工衛星で届きそうな距離に思えるが、それは光の速度で動いた場合の話で、今の人類の技術を以てしては、到達するのに数万年はかかるということだ。

なお、1994年に最初の系外惑星が発見されてから今日までの間に確認された惑星の数は、実に3500に上るそうだ。その中には、深い海があったり、親星からの光を悉く吸収してしまうために真っ黒な色になっていたり、構成成分の三分の一がダイヤモンドだったりするものもあるという。ちなみにそのダイヤモンドの地球での取引価格をフォーブズが計算してみたところ、約2700穣ドルになるという。こう言われてもピンとこない。1穣は10の28乗の大きさだから、1,000穣は10の31乗ということになるが、そんなことを言われても実感がわからないので、いっそお経の中の言葉のように数百千万億とでもいったほうが手っ取りばやい。(写真のイメージはESOが作成)





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