鳥になった気分:張家界のガラス張りの橋

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写真(APから)は、湖南省の張家界にある峡谷にかかる橋。全長420メートル、高さ300メートルというから、これだけでも筆者のような高所恐怖症気味の人間には渡るのが困難と思われるが、この橋にはそれに加えて恐ろしい仕掛けがある。床の大部分がガラス張りになっていて、谷底が丸見えなのである。だからこの橋を渡っていると、あかたも空中を歩いているような醍醐味が味わえるに違いない。空中遊泳の趣味を持った人には、こたえられないだろう。

だが筆者のような高所恐怖症気味の人間には、空中遊泳の醍醐味はわからない。ただでさえ高いところに上ると目がまわるほどなのに、こんなところに上ったら、目が回るくらいでは済まない、きっと失神してしまうに違いない。

筆者は昔、ある室内イベント施設の天井にあるキャットウォークというものの上を歩いたことがある。これは工事の都合を考えてどんな屋内施設にも設けられているから、上ったことのある人も多いだろう。筆者が上ったそのキャットウォークは、高さが30メートル弱で、長さが100メートル近くあった。そこへなにかの拍子に上って、向こう側まで歩く仕儀に陥ったわけだが、そのキャットウォークはワイアでできていて、底が透けて見える。ガラス底程ではないものの、やはり下がよく見える。

筆者は同行の者に励まされながら、そのキャットウォークの上をそろそろと歩き出したところ、後のほうから、どうです鳥になった気分でしょう、と言われた。だが鳥の気分になる前に、筆者は烈しい眩暈に襲われ、それと同時に体がこわばって、進むことも戻る事もできない仕儀に陥った。その時の恐怖感は、いまでもありありと覚えている。

そんなわけだから、筆者がこのガラス張りの橋の上を歩かされる羽目になったら、筆者にとってこの上もなく耐え難い拷問となるだろう。鳥になるどころではない。





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