お前たちを生きたまま食ってやる:ドゥテルテ比大統領のエスカレーション

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オバマ米大統領やローマ法皇をえげつないことばで罵っているドゥテルテ比大統領。その過激さは一向に弱まる様子がない。今度はASEANサミットに参加するために訪れたビエンチャンで、現地のフィリピン人社会の会合の席で、先日のミンダナオでのイスラム過激派のテロに言及し、言葉がすべったのかどうか、ミンダナオのイスラム過激派たちに向かって、お前たちを生きたまま食ってやる、と宣言した。

先日は、フィリピンの民兵たちに向かって、麻薬犯罪者や麻薬常習者を見つけ次第殺せ、と呼びかけたばかりだ。今度は、その矛先がフィリピンのイスラム社会に向けられるのではないかと、フィリピンのイスラム教徒は戦々恐々としているようだ。

権力の恐ろしさは、東南アジアの諸国民は身に染みて知っている。カンプチアではポルポト派の権力によって数百万の人々が殺されたし、インドネシアではスハルトの権力によって、やはり百万オーダーの人々が殺された。この両国程ではないが、他の国でも権力が国民を殺すことは珍しいことではない。

だから、フィリピンの人々は、ドゥテルテが本格的な国民殺害に取り掛かるのではないかと恐れているようだ。とりあえずは麻薬犯罪者を標的にしていた国民殺害運動も、最近は麻薬常習者に及び、ついでイスラム過激派に及んできた。この次はおそらく共産ゲリラの生き残りが標的にされるだろうし、行く行くはドゥテルテに反発するすべての人間たちに及ぶだろう。

そうなったらフィリピンはこの世の地獄と化すに違いない。そう恐れる人々が増えても、それは不思議なことではない。





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壺斎様
 民主主義において独裁者が生まれてくるケースは過去に経験してきたが、ドゥテルテが独裁者となるのか注意深く見守ることが肝要であろう。
 ミャンマーは少し前の時代アウンサンスーチー女史が軍部独裁下で監禁されていた。今は外相として、国家最高顧問として国のために働いている。ミャンマーは輝きだした。

 その国のかたちとしてある場合は独裁があったほうがよいのかどうか、議論されてきたが・・・
 政治は結果でしかわからないのだろうか、理論通りにはうまくいかない。人間とは摩訶不思議な存在であり、まとまった集団となればさらにわからなくなる。

 イラクのサダムフセインを倒した結果、中東の混乱は拡大した。アラブの春を歓迎した世論、だが現実はシリアの悲惨な現状、イスラム国のテロを生み出した。
 北朝鮮の暴君はどうなのだろうか?
 日本へ向けられたミサイルの性能、精度が向上したという。精度が向上していなかったら、日本に着弾したことをも意味するのだろうか。日本の本土に着弾し、死者がでたら日本はどのような行動をとるのだろうか。
 横道にそれました。
 2016/9/8 服部

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