泥鰌が蓮根に化けた

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蓮舫民主党総裁が野田元総理大臣を党の幹事長に指名した。野田元総理といえば、その後の民主党の没落と、民進党の停滞ぶりの最大の貢献者だ。民進党内では「戦犯」と呼ぶ向きもある。そういう人物が自分の過去の失敗をほとんど反省しないまま、またぞろ顔を出したと言うので、民進党内には不協和音も流れているそうだ。

蓮舫総裁としては、政治の先輩であり同じ派閥で行動してきたものとして、野田氏は頼りになる存在であり、自分を支えて欲しいと思ったのだろう。だが、それは見方を変えれば、お友達で組織を廻していこうとするもので、仲間うちで盛り上がろうとする発想にとらわれたものだ。その点では、安倍自民党政権の陰画のようなものだ。

蓮舫総裁から頼られた形の野田元総理は、総理大臣経験者として野党の幹事長につくのは異例中の異例ではあるが、お仲間の蓮舫さんを少しでも盛り立てようと、あえて火中のクリを拾ったということらしい。蓮舫さんを下から支える自分の立場を野田氏は蓮根に譬えた。野田氏はこれまで自分自身を泥鰌だと言ってきたわけだが、それが蓮根に化けたということか。どちらも泥水の中で元気になるたちなので、泥鰌と蓮根では化けたというほどのことではないかもしれぬが。

ともあれ、野田さんは共産党嫌いで有名で、野党協力にも消極的だ。野田さんはもし政党間の協力をするなら自民党と組みたいと思っているらしいから、行く行くは民進党の看板を下ろして、自民党さんの暖簾の影に入れてもらったほうが、話は早いかもしれない。

一党自主独立路線を貫くにしても、自民党に吸収されるにしても、民進党にとっては、お仲間が手をとり合って泥水に沈んで行く、という光景が、現実味がありそうだ。






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