写真（ロイターから）の男女が見つめ合っているように見えるのは、互いに愛し合っているからではない。そうではなく睨み合っているのだ。１９７３年にチリで起きた軍事クーデターに抗議する集会が先日サンティアゴで催されたが、これはその折に目撃された光景。抗議集会には大勢の機動隊員が投入されたが、その機動隊員に向かって集会に参加した少女が、抗議の意思を表明するために睨みつけたというのである。それに対して機動隊員も睨み返したが、暴力沙汰に発展することはなかったという。
こうした睨みあいは、日本でも他人事ではない。沖縄では米軍関連の施設建設を強行する動きに対して大勢の人々が抗議に立ち上がり、それに対して日本中から駆り集められた機動隊員が排除の動きを見せている。時々テレビ報道で映される現場の光景を見ると、この写真に見られるような事態を超えて、機動隊員たちが力づくで年寄りたちを排除しているように見える。それは権力による暴力行使としか見えない。
筆者などは、多くの日本人と同じく判官びいきと言うか、弱い者のほうに寄り添うような傾向があるので、そうした光景を見せられると、マッチョな機動隊員よりは弱々しい年寄りたちを応援したい気分になる。ましてや機動隊員たちが年寄りを力づくで排除しようとする光景を見ては、怒りさえ湧き上るのを感じる。なにも弱い年寄りたちをそこまでいじめなくてもいいではないかと。
これらの機動隊は、東京の警視庁を始め各県の警察から派遣されている。各県では、それぞれの県内の治安を維持する目的で警察を抱えているわけで、なにも沖縄まで出かけて行って、地元の人々をいじめるのが各県警の本務ではないはずだ。
この写真を見て、余計なことまで考えが及んでしまった。
壺斎様
兵士と睨みあいをした少女はたくましい母親になっているだろうか。この少女の面影はインカの末裔に思えてならない。
43年前アメリカの陰謀によって、軍事クーデターを起こさせた疑いが濃厚だ。当時のニクソン、キッシンジャーのコンビですすめられたらしい。多くの犠牲者がでたという。その日は、９月11日であったという。アメリカは多くの間違いをおかしてきているのではないだろうか。
現在のチリーからは鮭が日本へ輸出され、我々の食卓にのっている。平和な国だと聞いているが・・・
2016/9/21 服部