Swamp of Crazy

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最近バラク・オバマの言動が過激になっている。先日はプーチンを罵って「お前は間抜けなロバだ」とか「くされちんぽ」だとか、普通なら聞くに耐えない言葉を発したが、今度はドナルド・トランプをさして、「Swamp of Crazy(きちがい沼)からやってきた」と罵った。

どういうつもりでこんな言葉を使ったのか。アメリカでは沼地地帯と言えば南部を思い出させるから、それをきちがいと結びつけるのは穏やかではない。最近のアメリカ南部は、白人至上主義的なレーシズム運動が過激化しており、それがトランプの人種差別発言と深い結びつきがあることを、オバマは批判したのかもしれない。それにしても、現職の大統領の発言としては過激と言わざるを得ない。

トランプの人種差別発言と白人至上主義を結びつける動きは、Alt-Right と呼ばれる。そういう運動が、南部を中心に広がりを見せていることに、現代のアメリカ社会の病理を見る者もいる。

特にショッキングなのは、コロラドのあるハイスクールを舞台に、極端な人種差別を主張する生徒たちが Facebook を通じて自分たちの主張を展開したことだ。その主張とは、「ユダヤ人と黒人を吊るせ」というから戦慄させられる。特にユダヤ人を標的にした主張には、彼らの人間性を疑わせるものがある。例えば、次のような呼びかけだ。"Let's have fun killing jews" and "You can hang Jews on trees, shoot them right in the knees. Gas as many as you please."

この生徒たちのうち、18歳以上のものはみな退学処分になったそうだ。

これは比較的自由で寛容なことで知られるコロラドでおこったというので、そのショックは生半可ではない。不寛容な人種差別主義が、南部だけではなく広くアメリカ全体に広がりつつあることのあらわれと見られるからである。(写真は旧南部諸州と鍵十字の旗を掲げるレーシストたち、EPAから)

(参考)Students expelled after Facebook group calls for 'execution' of Jews, black people : Guardian





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