ワキをレイシストで固める:トランプの政権構想

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スティーヴ・バノンを主席情報官に選んだのに続いて、ジョフ・セッションズを司法長官に、マイケル・フリンを安全保障担当補佐官に、マイク・ポンペオをCIA長官に選んだ。いづれも名うてのハードライナーとして知られる。また、トランプとは強い信頼感で結ばれているといわれる。

バノンは Alt-Right の首謀者でかつ露骨な人種差別主義者だ。セッションズも白人至上主義の立場を隠さず、黒人を侮辱する言動を繰り返してきた。フリンは狂信的な反イスラム主義者だそうだ。ポンぺオの政治信条はあまり伝わってこないが、彼が有名になったのは、ベンガジ事件を巡って当時の国務長官だったヒラリー・クリントンの対応を厳しく批判したことだった。この男はまた、グアンタナモでの拷問を支持したそうなので、レイシストというよりサディストなのだろう。

トランプがセッションズを司法長官に選んだのは、公約した一連のレイシズム政策をスムーズに実行するうえで、セッションズが有効な役割を果たすと判断したからだろう。陰に陽にレイシズム政策にお墨付きを与える一方、行き過ぎた人権保護にブレーキをかけてくれるだろうと、期待してのことだ。

バノンは、レイシストだとの指摘に対して、自分はレイシストではなく、ナショナリストだと言っているが、白人たちによって人為的に作られた国であるアメリカでは、ナショナリズムは白人中心主義という形をとりやすい。バノンのようにそれを極端にしたものは、レイシズム以外の何ものでもない。

こうして見ると、自分の政策を実施するうえで役にたちそうな人間を選ぶところは、日本の安倍総理によく似ている。安倍総理もNHKや日銀などに-自分の息のかかった人間を送り込み、自分の意向にそったことをやらせた。トランプもそのやり方に倣ったように見えるが、彼の場合には、人権破壊というとてつもないミッションをこれらの人間たちに担わせるわけで、生半可な人間では、トランプの期待にはとても応えられない。だから、筋金入りのハードライナーたちが、トランプのワキを固めることになったわけだ。





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