トランプのネポティズム

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トランプが、日本の安倍総理との会談に自分の娘や義理の息子を同席させたことで、米国ではトランプのネポティズムへの懸念が高まっている。アメリカには反ネポティズム法というものがあって、親族や密接な利害関係者を合衆国の公職に採用することを、大統領に対して禁止しているのだが、トランプはそれを無視するのではないかと、懸念しているわけだ。

トランプが安倍総理と会ったのは、一私人としてのことだから、いまのところネポティズムが問題化することはないが、トランプは就任後でも、息子や娘そしてその夫を自分の側近として活用する意思を隠していない。もしその意思を実行したら、法的な問題として取り上げられるのは不可避だろう。

その辺はトランプもわかっているだろうから、あえて違法行為をしようとは思わない限り、彼らを活用するにあたっては、公職につけることを通じてではなく、あくまでも私的なアドバイザーとして用いるかもしれない。その場合でも、彼らを公務に同席させる場合には、セキュリティ・クリアランス(機密情報処理権限付与手続き)が必要となる。トランプのことだから、そんな面倒は無視してかかるかもしれない。

いづれにしても、大統領が国家の重要問題の決裁にあたって、親族や密接な利害関係者を関与させることは、公私混同であるのは無論、ネポティズムとの批判を免れない。

一方トランプは、十八の国や地域に自分のビジネスを展開している。彼がこれらのビジネスについて、自分の大統領としての権限や影響力を乱用するのではないかとの懸念も強まっている。ブッシュ・シニアも、大統領としての権限や影響力を通じて、自分自身の石油ビジネスを追求したとして批判されたが、トランプの場合には、もっとあからさまに自分の利益を追求するのではないかと疑われている。

ネポティズムといい、私的ビジネスといい、トランプがもし人々の懸念や疑惑どおりのことを行ない、アメリカ国民がそれを許したら、アメリカは韓国よりひどい、腐敗した国だということになろう。






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