トランプが中印を挑発

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トランプが台湾の蔡英文総統と電話会談を行い、互いの享協力関係について話し合ったそうだ。1979年の米中国交回復以来アメリカは台湾と外交関係を絶ち、台湾も中国の一部だとする本土の政権に敬意を表してきたが、これはその外交上の先例を破るもので、今後への影響が考えられる。実際本土側から早速反応があって、アメリカと台湾とが直接外交上のやり取りをすることは認められないと反発した。

トランプは先日パキスタンのナワーズ・シャリーフ首相とも電話会談を行い、その中でシャリーフを「あんたはたいした奴だ」と持ち上げたが、それには早速インドが不快感を示した。パキスタンとインドはいま軍事的な緊張状態にあり、犬猿の仲であるから、その一方に肩入れするかのようなトランプの言動は、これも今後の国際関係に大きな影響を及ぼしかねない。

トランプは、蔡英文総統との接触を総統側からのアクセスによるもので、自分から仕掛けたのではないと匂わせているが、どちらにせよ、中国の頭越しに台湾と会談することは、かなりなリスクを伴うということを理解して言っているのか、俄に判断できないのが恐ろしいところだ。トランプは目下台湾国内で自分自身のビッグビジネスを手掛けており、台湾の総督にお愛想をふりまくのは、このビジネスをうまく運ぶための方便だとみる向きもある。それが事実だとしたら、いかにもお寒い話だ。

いやそうではなく、これは既存の国際関係を一から見直すというトランプの公約を、実現しているだけだという見方もある。いずれにしても、世界の人口の三分の一を占める中印両国と、アメリカが敵対的な関係に入るというのは、世界の残りの国にとっても、他人ごとではない。

ちなみに安倍政権の日本は、中国に対しては敵対的な姿勢を辞さぬ一方、インドに対しては、原子力技術の供与など友好的な関係を追及している。台湾問題に関しては、トランプが台湾との関係を強化すれば、それに励まされた格好で、安倍政権の日本も台湾との関係を強化するものと思われる。まさか、再度日本の属国にしたいなどとは考えないと思うが。





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