トランプがブラック企業の経営者を労働長官に

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トランプが労働長官に起用したアンドリュー・パズダー(Andrew Puzder)は外食産業のCarl's Jr. and Hardee'sを経営しているが、これは所謂ブラック企業として有名だ。従業員からの苦情を受けて労働省が調査したところ、その60パーセントで最低賃金以下であったり、法の基準を超えたオーバーワークが指摘された。アメリカではブラック企業という言葉はないらしいが、日本のブラック企業も顔負けするほどのブラック振りらしい。それの経営者が労働長官になるわけだから、労働者にとっては笑えない話だろう。

パズダーは、労働問題についてユニークな見解をもっているそうだ。まず最低賃金について。トランプ自身は今の最低賃金7.25ドルを10ドルくらいまであげてもよいと発言したことがあるが、パズダーは7.25ドルでも高すぎると言っている。彼はそう言うだけでなく、実際に7.25ドル未満で労働者を使って、苦情を受けているわけだ。本来なら、トランプ以上に最低賃金の引き上げに取り組むべき立場の労働長官がこの調子では、今後最低賃金が更に引き下げられかねない。

オバマ政権は、平従業員に管理職のような役職名を与えて残業代の支払いを免れようとする行為を取り締まる方向でいたが、パズダーはそうした動きに批判的だ。労働者は、賃金より役職の方を好む傾向があるから、彼らの意思を尊重すべきだ、というのがその理由だ。

また、日本やヨーロッパでは普及している病気休職制度や育児休暇制度について、ビジネスへの負担になることを理由に反対している。彼は工場や設備への投資は必要だとしながら、従業員への投資は無駄なことだと考えているようだ。

また、オバマケアを強く批判しているが、その理由は、雇用の減少やレストラン業界の不況をもたらしたとするのだが、どうもそのような証拠は見られないというのが実際のところのようだ。

要するに、さまざまな屁理屈を弄して労働者を安くこき使うのが経営者の権利だと考えているようなのである。このような人物が労働長官になることによって、今後アメリカの雇用がどのようになっていくか、専門家でなくとも気になるところだ。






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