トランプ政権発足

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トランプ政権がいよいよ発足した。トランプ始め、かれを取り巻く一党のメンバーを見て、一昔前の西部劇に出て来たならず者一家を想起したのは筆者のみではあるまい。

まずボスのトランプ。平気でうそをつき、自分の気に入らぬ相手を口汚く罵り、女性器を鷲づかみにしたことを自慢し、乱痴気パーティの淫乱ぶりの証拠をロシアに握られていたりと、これはもうならず者というよりは、ごろつきといったほうがよい。

閣僚や政権スタッフの人選についても、そのハチャメチャぶりは、このブログでも折につけて紹介してきたとおりだ。改めて振り返ると、バノンやフリンのような人種差別主義者を側近補佐官にする一方、娘婿でユダヤ人のクシュナーを官邸の重要スタッフに据えた。これは露骨なネポティズムだ。クシュナーはアメリカのイスラエル・マフィアを仕切ることになるだろう。

閣僚については、司法長官のセッションズも露骨なレイシストだ。労働長官に起用したアンドリュー・バズダーはブラック企業の経営者として労働者の権利に敵対的だ。この外、教育長官のデヴォスは公教育の意義に否定的で、学校現場を銃で武装しようと主張しているし、環境長官のプルーイットは大気汚染など気にする必要はないと公言している。厚生長官のプライスはオバマケアを廃止しても困る人は誰もいないと言っているし、国連大使のヘイリーは国連の意義を軽視し、アメリカは国連に縛られないと公言している。要するにみな、自分の担当する官庁のそもそもの目的に背反するようなスタンスを取っているわけだ。これは日本でなら、背任と受け取られるような行為だ。

この外にも、トランプ政権のメンバーには、これまでの常識と正面から対立するような、奇抜な人物が多い。それを新たな反権威主義運動だとして評価する向きもあるが、それはこじつけというものだろう。このメンバーがアメリカをどんな国にしてゆくのか。その言動からは、国益よりも自分の私的な利益を優先するのではないかとの印象が伝わって来る。そういう連中はやはり、ならず者と言うほかないのではないか。






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