トランプがパレスティナ国家構想に疑問

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トランプがイスラエル首相ネタニアフとの会談後に行った記者会見の席で、これまでアメリカの外交方針だったイスラエル・パレスティナの二国家共存構想に疑問を投げかけた。その意図は、これまでこの構想が実現しなかったのだから、ここで新しいアプローチを考えてもよいということらしい。

どういうアプローチか、トランプは明言しなかったが、どうやらイスラエル本体で実施されているユダヤ人とアラブ系住民の混在を、ヨルダン川西岸でも実施すればよいと考えているようだ。要するに大イスラエル構想で、パレスティナ人はこの大イスラエルの国民として生きて行けばよいということらしい。

パレスティナ側は、表向きは今のイスラエル国家自体を非合法と主張しているから、トランプのこのアプローチには絶対に乗らないだろう。それがわかっていながら、なぜこんなアドバルーンを上げるのか。単に自身のイスラエル贔屓を、イスラエルやアメリカ国内のユダヤ人コミュニティにアピールしているだけなのか。その真意はわからない。

トランプのこの発言にネタニアフは喜んでばかりはいられなかったようだ。というのもトランプはこの発言に続けて、いまネタニアフ政権が進めているヨルダン川西岸へのユダヤ人の入植に待ったをかけたからだ。パレスティナとの交渉によい材料とはならないと判断しているかららしい。

かりに大イスラエル構想が実現するとすれば、パレスティナ人もイスラエル国民ということになり、当然イスラエル国民としての権利を取得することになる。そうなれば、ネタニアフによって不当に奪われた自分たちの土地の返還を求めるだろうし、そうなればそのことがユダヤ人とパレスティナ系イスラエル人との間に新たな火種を供することになるだろう。

だから、パレスティナ人の権利を蹂躙するようなことは、慎んだほうがよい。もしトランプがそう考えてネタニアフに自制を求めているのであれば、それは悪いことではない。だが、それにはパレスティナ人が、トランプのアプローチに乗ってくることが肝心だ。でなければ、ユダヤ人とパレスティナ人の融和はとても考えられない。パレスティナ人との融和なしに大イスラエル国家を成立させるためには、イスラエルのユダヤ人に敵意を抱くパレスティナ人を絶滅させる必要があろう。かつてユダヤ人がドイツ人にやられたことを、今度はパレスティナ人相手に行うことになるわけだ。






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