ロイドの人気者(The Freshman)

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1925年の喜劇映画「ロイドの人気者(The Freshman)」は、原題にあるように、大学の新入生をめぐる話だ。アメリカの大学には、新入生を歓迎する様々な仕掛けがあり、毎年その仕掛けを駆使して新入生を大学に迎える。そのことを通じて、新入生が大学のカラーに馴染み、一人前の学生になるよう指導するわけである。

この映画の中では、ロイド演じる田舎の青年が、憧れの大学に入学し、そこで奇想天外な歓迎振りを受けるところを描いている。まづ、全校生徒会の席上で、入学の抱負を話させられることから始まり、さまざまな試練が彼には課せられる。この大学に入るときに、彼は一人の若い女性と知り合いになるのだが、その女性が大学のある町に暮していて、彼の様子を何くれとなく、気にかけてくれる。彼らは最後には結ばれるであろう。

この大学はフットボールが強いことを売り物にしていた。そこでロイド青年もフットボールチームへ入ろうと思う。だが生来運動音痴のロイドは、まともに相手にしてもらえない。やっとWaterboy(球拾いのようなもの)の資格でチームに入れてもらえる。彼の最初の役目は、球拾いではなく、部員のタックル練習のためのサンドバック代わりだ。皆に散々タックルされたロイドは、体じゅうがぼろぼろになるが、それでもへこたれる様子を見せない。そんなロイドに、列車の中で知り合った若い女性は、ほのかな思いを寄せるのである。

いよいよ公式フットボール・リーグが始まり、ロイドにとって始めての晴れの舞台が整えられる。ロイドはなんとかして自分も試合に出たいと思うのだが、コーチは球拾いのロイドを相手にしてくれない。だが味方チームのプレイヤーたちが次々と負傷し、ついにゲームに必要なメンバーに欠ける事態になって、ロイドにも出場のチャンスが回ってくる。

そこでロイドが例によって軽快な動きで痛快な働きをするというわけである。そこがこの映画の最大の見所なのだが、それは言葉では説明できない。是非自分の目と耳で鑑賞されるようお勧めする、といった次第だ。

ロイドが球をもって相手のタックルをかわしながら、オーバー・ザ・ラインを目指してまっしぐらに進むところがなかなか頼もしい。ロイドのオーバー・ザ・ラインは怪我の功名なのだが、それでもチームのために重大な働きをしたことには違いない。ロイドは一躍大学の英雄になり、みなに祝福されるのである。無論、列車の中で知り合った若い女性にも。






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