日本ファーストの会が意図するもの

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「日本ファーストの会」なるものが発足するというニュースを聞いて、国粋主義政党が発足するのかと思ったら、そうではないらしい。先日都議会選挙で旋風を引き起こした「都民ファーストの会」の国政版を目指すということらしい。

「都民ファーストの会」の国政版なら「国民ファーストの会」とするのが自然だと思うのだが、「国民ファーストの会」のほうはすでに意匠登録されていて使えないのだそうだ。それで「日本ファーストの会」になったらしいのだが、なぜ「日本ファースト」なのか、そこがいまひとつわからない。

「日本ファーストの会」というからには、日本国を大事にしましょうという気概が伝わってくる。日本国民として日本国を大事にすることにはなんら違和感はないが、普通政治の現場でことさらに日本国を強調するのは、ウルトラ・ライトの性癖を思わせて気味が悪い。

「国民ファースト」が使えないのなら、たとえば「市民ファースト」とか、「庶民ファースト」とか、いくらも言いようがあったろう。小池さんが「都民ファースト」を旗印にしてはじめた政治運動は、普通の庶民の感覚を大事にしようということではなかったか。それなら「市民ファースト」とか「庶民ファースト」という言葉のほうが、運動の理念には近いわけである。

それをことさらに「日本ファースト」とすることに、どのような意図があるのか。安倍政権下で進む右傾化傾向に便乗しようというのだろうか。それにしても「日本ファースト」とはよく言ったものだ。みなさん、政治を考える際には、まず日本国の国家としての利益を優先しましょう。庶民としてのあなたの利益はその次です、と言っているように聞こえる言葉だ。





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