吠えるトランプ

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一昨日(8月22日)アリゾナ州フェニックスで行われたトランプ派の集会で、トランプが今まで以上の情熱を込めて吠えまくった。その吠えぶりが、アメリカ大統領に期待される威厳をあまりにも逸脱しているばかりか、狂気じみてもいたので、共和党の議員たちの中にも、トランプをマッドマンと受け止める人が続出しているらしい。

この集会でトランプが見せた逸脱ぶりはいくつかある。彼が最も時間と情熱をかけて訴えたのはメディアの不誠実ぶりだ。ニューヨークタイムズとかワシントンポストとかいったメディアの連中は、自分の発言をわざとねじ曲げて、自分の意図とは全く違ったことを報道している。(シャーロッツヴィルの件では)自分は左翼も右翼もどっちも悪いと言ったつもりなのに、メディアの連中は、左翼が悪い(右翼は悪くない)、と全く違った風に報道した。だから奴らは許せないというのだ。攻撃の矛先がCNNに向いたときには、会場から"CNN sucks!"の大合唱が沸き起こったという。大統領の演説会と言うより、極右の決起集会といった雰囲気が充満していたらしい。

アリゾナはメキシコ国境ということもあって、例の壁のことも取り上げた。そして壁の財源を議会が認めなければ、政府機関をすべて閉鎖して、それで浮いた金を壁の財源に充てると言い出した。また、アリゾナの保安官で、移民に対する非人道的な取り扱いで有罪に問われたジョー・アルパイオの行為をたたえたばかりか、 恩赦の可能性にも言及した。そのアルパイオは当日会場にいたそうだ。

共和党の議員たちがもっとも気を悪くしたのは、トランプが名指しこそしなかったものの、アリゾナ選出の共和党議員たちをこき下ろしたことだった。これらの議員は、日ごろトランプに批判的なことを言っていたとはいえ、彼らに対するトランプの敵意があまりにも常軌を逸しているので、ほかの同僚議員たちも、トランプに不気味さを感じたらしい。彼らがトランプをマッドマンと呼ぶようになったのは、その不気味さの反映である。

トランプのこの逸脱ぶりには、バノンの解任が影を落としているとする見方もある。極右のバノンをホワイトハウスから追放したことで、これまで自分を支えてきたコアな支持者たちが離反するかもしれない。そんな恐怖が働いて、トランプを必要以上に極右に駆り立てたのではないか、というのである。

いずれにしても、トランプはますます孤立を深めているようだ。トランプにはもう先がないという見方が、ワシントンでも強まっているようだが、本人がこんな調子を改めないなら、最期は意外に早くやってくるかもしれない。





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