北朝鮮のミサイルが北海道上空を飛翔

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北朝鮮が飛ばしたミサイルが日本の北海道上空を飛翔して、襟裳岬沖約1200キロの海上に落下した。このミサイルは中距離弾道ミサイル火星12とみられる。本日(8月29日)午前5:58に、ピョンヤン近郊に位置していた車両から発射され、6:06に北海道上空を通過、6:12に襟裳岬東方の海上に落下した。


このミサイルはどうやら、金正恩がグアム島の米軍を攻撃するとしていたミサイルを、代わって日本に向けて発射したということらしい。日本では、グアム島向けのミサイルの発射に向けて、その通過経路にあたる西日本を中心に厳戒態勢を敷き、迎撃ミサイルシステムPAC3を配備するなどしていた。そのPAC3は北海道にも配備されていたが、それが活躍することはなかった。北朝鮮のミサイルは、日本の迎撃網を気にせずに、のんびり飛翔したというわけである。

北朝鮮は過去にも二度ばかりミサイルを日本上空に飛ばした。直近の2009年には事前に発射通告を行っていたし、どちらの場合にもミサイルは軍事目的ではなく、民生用だと主張していた。今回は、事前の通告がなされず、しかも明らかに軍事目的のミサイル発射である。国際法上、こうした行為は宣戦布告に相当するといってよい。その北朝鮮の重大な挑戦に対して、日本の安倍政権は、いまのところ有効な手立てがとれていないようだ。

それにしてもなぜ、安倍政権はこのミサイルを迎撃しなかったのか。ミサイルの北海道通過に合わせて地元住民に避難を呼びかけたというから、政府がこのミサイルの動きを察知していたことは間違いない。それなのに、何らの迎撃もしなかったのはなぜか。政治判断から遠慮したのか、それともPAC3にその能力がなかったのか。ワシントンポストの記事によれば、PAC3には、このミサイルを有効に撃ち落とす能力はないそうだ。

安倍政権は、今後トランプ政権と緊密に連携して、北朝鮮への圧力を強化する方針らしいが、まさかトランプの北朝鮮への攻撃を受け入れることはないだろうと期待する。今の状況を考えれば、トランプが北朝鮮を攻撃した場合、北朝鮮による反撃が日本に向けられる可能性が極めて高い。その攻撃は、たとえば、中距離弾道ミサイルで、日本に核攻撃を加えることもありうる。その場合、北朝鮮からの弾道ミサイルを、日本側が有効に撃ち落とせる可能性がないとなれば、どんな事態になるか。これは小学生でも想像できることだ。

北朝鮮への圧力を強化するのはいいが、戦争に訴えることには慎重であってもらいたいものだ。戦争になってバカを見るのは、いつも我々庶民だからだ。







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