安倍政権の他人任せの北朝鮮対応

| コメント(0)
金正恩の北朝鮮が、日本の上空に弾道ミサイルを飛ばしたことで、安倍政権はさすがに黙ってはいられず、何らかの対応を迫られている。しかし、安倍政権の日本としては、今のところ、国連に働きかけて、北朝鮮への圧力を高めてくれるよう要請することくらいしかできない。その圧力も、北朝鮮との貿易を国際社会として自粛することを呼びかけるくらいであるから、日本として独自にできることには限りがある、というかほとんど何らの影響をも及ぼしえないというのが実情だ。

安倍政権が国連に提案しているのは、北朝鮮からの石炭の輸入を控えるとかいったたぐいの、微温的なものだ。しかもそれを具体的にしかも効果的に実施できるのは、中国とかロシアであって、日本やアメリカではない。しかがって、中国やロシアが本気にならない限り、こんな圧力で北朝鮮がへこたれることはないだろう。

要するに、日本が独自に北朝鮮に対してできることはほとんど何もない。日本はいわば他国のふんどしで相撲をとるほかに、なにもやることがないわけだ。

こうなってしまっているのは、安倍政権が日ごろから北朝鮮との外交をきちんとやってこなかったことのつけが回ってきたということだ。何しろ外交についてはアメリカの言いなりで、自分の頭で考えたり、自分の汗をかいてきたことがないに等しい。そんな状態で今になって騒いでも、自力でできることはほとんどないわけだ。

北朝鮮といえば、地政学的に見て、日本にとっては非常に重要な国だ。だから、いくら気に食わない相手でも、外交ルートを閉ざして、相手を罵ってばかりいては、いざというときに今回のような無力な事態に陥る。拉致被害者の問題にしても、安倍政権は、北朝鮮との間で対話する努力を放棄し、ただただ相手を非難しているばかりだ。これでは解決すべきものも解決するわけはない。

しかも、今回は、場合によっては、日本の頭越しに米朝戦争が勃発する可能性もないわけではない。それほど事態は緊迫している。それなのに安倍政権の日本外交にできることと言えば、他国に対して北朝鮮に圧力を加えるよう要請するくらいが関の山だ。安倍政権は、外交不在がこんな事態を生んだと知って、もっとまじめな対北朝鮮外交、ひいては対東アジア外交に取り組むべきだ。





コメントする

アーカイブ