あたりかまわず気に入らない連中と衝突を繰り返しているトランプが、今度はスポーツ選手と深刻な対立を起こしているというので、芸能ネタとしてはちょっとした話題になっているようだ。きっかけはいつもの通りツイッターでの発言。最近彼が観戦したNFLの試合で、一部選手がNational Anthemの際にKneelingをしているのはけしからん、そんな奴は首にしてしまえと書いたところ、NFL はおろかスポーツ界の有力選手から次々とブーイングが沸き起こったというのだ。
このことを紹介した記事を読んだ筆者は、最初は何のことかイメージがわかなかった。調べてみると、National Anthem とは、儀式の際に星条旗を掲揚しながら、国家を斉唱することをいうらしい。その際には、参加者は立ち上がって、胸に手を当てて聞くのが礼儀にかなったやり方になっているようだ。だからその際、腰を下ろしてニーリングをするのは、どうも国家への侮辱と受け取られているらしい。トランプはそのことを取り上げて、National Anthem の際に一部の人間がニーリングをするのはけしからんといって、かみついたようなのである。
このトランプが言うところのけしからぬ行為は、昨年 NFL のクォーターバック、コーリン・ケーパーニックが、相次ぐ白人警官による黒人射殺に抗議して始めたところ、NFL を中心にスポーツ界に広がったということだ。トランプはそれに怒って、今般のツイートに及んだらしい。
ニーリングをしているのは、黒人選手だけではない。白人選手にもしているものはある。その光景は現在のアメリカの分断を象徴している。それに対して大統領のやるべきことは、分断を解消して国民の融合をはかることのはずだが、トランプはかえって、対立に火を注ぐようなことをしているわけだ。いつものこととはいえ、困ったものである。(写真は二―リングをするコーリン・ケーパーニック、ESPNから)
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