島根にミサイルが落ちても意味がない?

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島根県選出の代議士で、自民党の要職にある某氏が、北朝鮮の度重なる挑発に言及して、島根県はグアム島へのミサイル軌道上に位置しているが、かりに島根にミサイルが落ちても、それは意味のないことだと言ったことで、ちょっとした騒ぎになっている。マスメディアの多くがこの問題を取り上げて、某氏に発言の真意をただそうとしたのだったが、当の本人は、何が問題なのかわからない、といった反応を示している。そこがまたマスメディアによって面白おかしく脚色され、事態はいっそうこんがらがってしまったようである。

当人の本意は、ミサイル軌道上にある諸県のうち、島根県は人口も少なく、インパクトが小さいので、どうせ落とすなら、もっと人口の多い県、たとえば広島県に落としたほうが効果が大きい、ということを言いたかったようだ。要するに、もし北朝鮮が日本にミサイルを落とすなら、島根県は避けてほしいということらしいのだが、それが多くのマスメディアによって、島根県にミサイルが落ちても意味はないと文字通り解釈され、あたかも島根県にミサイルが落とされることを、大してことではないとして、認容しているかのように受け取られたということらしい。

誰でも自分の家にミサイルを落とされるのを喜ぶものはない。政治家にとっては、選挙区は自分の家のようなものだから、そこにミサイルを落とされることを喜ぶはずがない。その喜ぶはずのないことを、喜びはしないものの、仕方のないこととして受任しているかのように、この人は印象付けられてしまったわけだ。

それにしても、お粗末な話だ。当人の意図がどうあれ、日本の国土がミサイル攻撃にさらされる事態を、意味のないこととして言い表すのは軽率としか言いようがないし、また、どうせ落とすなら、自分の家ではなく、隣の家にしてほしいというのも、政治家として無責任すぎる。要するにこの人は、言葉の意味とそれがもたらす効果について、十分にわかっていないようである。





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