平昌オリンピックは開催できるか

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平昌オリンピックの開催が近づいているが、朝鮮半島情勢が俄かにきな臭くなったことを受けて、参加をためらう国が出てきた。フランス、オーストリアが、このままでは不参加の可能性が高いことを示唆し、ドイツも参加の可否を検討するといっている。今後もこうした動きに追随する動きが広がることが予想される。場合によっては、開催国の韓国自体が、開催をあきらめることもありうるといった異常事態だ。

たしかに、今の朝鮮半島情勢は、危機的な状況だ。いつ戦争が始まってもおかしくない。トランプのアメリカも日本の安倍政権も戦争辞さずといった姿勢だし、韓国もそれにひきずられて、北朝鮮との和解を言いだす空気ではない。朝鮮半島には暗雲が垂れ込めていると言ってよい。そんな状態で、平和の祭典であるオリンピックが開けるのか、そう各国の指導者が思うのも無理はない。

もし、オリンピックが中止ということになれば、それは戦争が原因ということになる。オリンピックが戦争のため中止されたのは、1944年に第二次世界大戦を理由に中止されて以来だから、実に70年以上ぶりのことになる。そうさせないためには、日米韓だけでも参加して(迎撃ミサイルに守られながら)開催するというのもあり得ないではないが、それではオリンピックの精神から大きくはずれることになるだろう。

それにしても、現下の北朝鮮危機を、各国は苦々しく思っているに違いない。アメリカは北朝鮮の挑発を全世界への挑戦だと言っているが、冷静に考えれば、米朝両者の喧嘩にすぎないことは明らかだ。両者が頭を冷やして話し合えばすむことで、なにも国際社会を巻き込むことはない。そう思っている指導者が大部分だろう。それでもトランプに付き合って北朝鮮を非難しているのは、トランプを怒らせるとやっかいだが、北朝鮮を多少いじめたところで自国へ大した影響はないと踏んでいるからだと思われる。要するに大部分の国が、北朝鮮危機は作られた危機であり、基本的には米朝関係の問題だと思っているはずなのだ。

そんななかで、この地域紛争の当時者のひとつである韓国でオリンピックが開かれるというのは不幸な巡りあわせだった。果たして平昌オリンピックが開かれるかどうか。それは、日本を含めた関係者が頭を冷やして、冷静になれるか否かにかかっている。





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