日本は強姦天国か?

| コメント(0)
元TBSのワシントン支局長で安倍首相と親しい関係にあると言われる某氏が、ジャーナリスト志望の女性に対して、自分の地位を利用して準強姦行為を働いたとされる件について、女性が勇気を出して声をあげたにかかわらず、日本のメディアは無視に近い対応ぶりを見せているが、欧米のメディはこぞってこれをとりあげ、日本の男尊女卑的な風土を批判する見解を表明している。

最初に取り上げたのはニューヨークタイムズだ。タイムズはかなり長文の記事を載せて、この事件の経緯について詳しく紹介したのち、日本ではこの種の事件について、ジャーナリズムも司法当局も非常に鈍感だと批判している。アメリカならこの種の事件を起こした男は、徹底的に追及され、刑事罰を課せられた上に社会的な信用を失墜するところだが、日本ではそうではない。刑事罰を課せられるどころか、この事件ではいったん起訴と決まったにかかわらず、検察当局の政治的な判断によってその動きにストップがかかった。男はそれをいいことに、私は犯罪行為を行っていないなどと言い抜けているありさまだ。

かりに起訴されて刑事裁判にかけられ、有罪判決を受けても、日本の場合には執行猶予がつくことがほとんどだ。最近世間をにぎわした大学生の集団強姦事件では、有罪に執行猶予がついたりそもそも起訴されなかったりした例が相次いだ、といったタイムズのこの記事は、日本という国は強姦犯に非常に甘い国だとの印象を振りまいている。

ヨーロッパの主要メディアの論調も似たようなもので、日本という国は、強姦された女性よりも強姦した男を守ってやろうとする男尊女卑の国ではないかとの疑問を提起するものが多い。こんなことではそのうち日本は強姦天国の汚名を蒙りかねない。

ついても日本にとって都合が悪いことは、日本の戦時中の汚点であるいわゆる従軍慰安婦問題が、今日における強姦の横行と結びつけられることだ。今日でさえ、日本人同士の強姦事件をめぐって、強姦された女性よりも強姦した男がはばをきかせているのであるから、人権意識がはるかに低かった戦時中には、日本軍が組織的に女性を性奴隷として扱ったのは不思議ではない、というような意見が広がるのがこわい。

なお今般の強姦事件を準強姦と表現しているのは、意識のない女性を対象に行う性行為は厳密には強姦とは言えないとする日本の法意識に基づいたものだそうだ。こういうところにも、男の強姦に寛容な日本の体質が現れていると言えそうである。





コメントする

アーカイブ