女は土俵に上がらせてはならない?

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先日舞鶴での大相撲の巡業中、地元の市長が挨拶の途中土俵の上で倒れた。その時何人かの女性たちがすばやく土俵に上がって、倒れた市長に応急処置を取ろうとした。ところがそれを見た行司が、女の人は土俵から下りてくださいと叫んだ。その様子は、現地にいて目撃した人がYOU-TUBEで流したこともあって、あっという間に全世界に拡散した。その結果、世界中から寄せられた大方の反応は、日本はいまだに男尊女卑がまかり通っている野蛮な国だというものだった。

これがきっかけになって、日本ではいかに女性が抑圧されているか、さまざまな論評が寄せられた。日本では女性は決して天皇になれないということから始まり、先日はある国会議員が、自分の経営している保育所に採用した保母は、採用した時点で妊娠していたのだが、もしそのことがわかっていたら、自分はその女性を採用しなかっただろう、つまり自分は騙されたのだと発言した、というようなことまで、日本ではいまだに先進国としては考えられないようなことがまかりとおっているということを、揶揄するものが多かった。

日本人の中にも、そうした風潮を批判する者もいる。日頃右翼を標榜している漫画家の小林よしのりでさえ、「人命より伝統のほうが大事だと考えるのは、伝統と迷信を一緒くたにするものだ」と批判している。

だが小林のような見方は日本では少数派で、殆どの日本人は、行司のやったことは正しかったと考えている。つまり、それほど日本では、男尊女卑が、女性も含めて浸透している。そう海外からは見られているわけだ。

一方、そんな日本的な考え方を擁護する海外の見方もある。それによれば、相撲の土俵というのは、日本人の祖先である女神の天照大神にささげられたものだ。その土俵に他の女性を上げると、天照大神が嫉妬して、災いをもたらすに違いない。災いを避けたいと言うのは日本人の最大の美徳である。したがって土俵に女性を上げないと言う慣習には合理的な理由があるのであって、そのことで日本人を責めるのは酷だと言うのである。





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