トランプが在韓米軍縮小を示唆

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トランプが在韓米軍の縮小を検討するよう指示したとニューヨークタイムズが伝えた。どの程度縮小するのか、あるいは完全に撤退するのか、そこまではまだ伝わってこない。しかし、何らかの形の縮小はありうると考えていいようだ。

これはもちろん北朝鮮側が、これまでの言辞をひっくり返さないで、非核化にむけて誠実に対応することが前提になっている。北朝鮮が完全な非核化に応じ、朝鮮半島の緊張緩和に貢献するつもりがあるのなら、アメリカもそれに応じて、朝鮮半島の緊張緩和に向けて、在韓米軍の縮小或いは撤退を考えてもよい。そういうジェスチャーを示したものだろうと、とりあえずは受け取れる。

要するに北朝鮮の非核化を巡る交渉を、実のあるものにしたいという意図が、そこには込められているのかもしれない。その一方で、これは韓国向けのアドバルーンで、韓国が今後も在韓米軍の維持を求めるなら、相応の負担をする覚悟をして貰いたいと伝えているという見方もある。と言うのも韓国は、北朝鮮との交渉と在韓米軍の問題を切り離して、今後もし朝鮮半島が非核化され、南北の融和が進んだ場合にも、在韓米軍には引き続き残って貰いたいと、文在寅大統領自ら表明しているからだ。そんなに米軍に残って貰いたいなら、相応の負担、この場合には全額負担を意味しているらしいが、きちんとした負担をせよと韓国に圧力をかけるのが目的だというわけである。

こうした動きに日本はどう対応すべきか。安倍政権は未だに冷戦思考から抜け出せず、北朝鮮を最大の敵として外交を組み立ててきた経緯があるので、こうした動きは日本外交の根本的な組み直しを求めるものといえる。その組み直しを安倍政権は、果たしてちゃんと出来るのか、日本国民としては気になるところだ。

かりに南北の融和が進み、在韓米軍が撤退する事態になれば、その次には当然、在日米軍の問題がクローズアップされてくる。トランプはいずれ、在日米軍の縮小あるいは撤退といったことも言ってくる可能性がある。その時に日本としてどう対応すべきか、安倍政権はきちんと考えておく必要がある。でないと世界の大勢からとりのこされ、右往左往することになりかねない。





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