沖縄人の意地を見せながら死んだ:翁長知事の壮絶な死

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翁長沖縄県知事が壮絶と言ってよい死を死んだ。辺野古への米軍基地建設を巡って安倍政権と鋭く対立し、内地の日本人の心ない中傷にさらされながら、沖縄人としての誇りと意地をかけて戦っていた最中での突然の死であり、その壮絶な死に方はまさに戦死と言ってもよかった。

翁長知事が沖縄の誇りと意地をかけて安倍政権に立ち向かった姿は、かつて封建時代に絶大な権力を相手に無力な戦いをいどんだ一揆の指導者の面影を彷彿させた。その悲壮な姿は、悪代官に立ち向かう義民を思わせたが、ほとんどの義民が無残な死を死に、権力の横暴がまかりとおったと同じく、翁長知事も無残な死を死んだかに見える。しかし無残とばかりもいえまい。その戦う姿勢には、正義はやがて悪に勝つのだという信念がこもっており、したがって翁長知事本人には、正義を貫いて死んだという自足感もあったに違いない。

強力でかつこざかしい敵である翁長知事が死んだことで、安倍政権はほくそえんでいるだろう。沖縄の残された人々が、翁長知事の精神を引き継ぐことなく、安倍政権の息のかかった人間を自分たちの指導者に選ぶようなことになれば、安倍政権のほくそえみは哄笑となって爆発するに違いない。

それを許すのか、あるいは翁長知事の志を継いで、沖縄の意地と誇りを安倍政権にぶつけるのか、いま沖縄の残された人々は、選択を迫られている。ここは、翁長知事の志を引き継ぐ人を先頭に立てて、翁長知事の弔い合戦をやるべき秋だ。





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