ツイッターは死滅するか?

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イーロン・マスクがツイッターを買収した後、ツイッターの存続にとって不利益になることばかりやっているので、マスクはツイッターをつぶすつもりだという憶測が流れているようだ。マスクはツイッターを買収するために四百四十億ドル(日本円で六兆円以上)もかけているので、まさかその大金をどぶに捨てような真似をするとはとても考えられないのだが、かれの実際にやっていることがツイッターをつぶす方向に左右するだろうことは確実に言えることである。

何のためにこんなことをするのか。マスクがツイッターを買収する気になったのは、トランプのアカウントを復活させることで、その歓心をかい、そのことでさまざまな利益を得られると期待したからだろうというのが、小生の見たてだった。だが、その期待が報われるためには、ツイッターを繁栄させることが必要であって、ツイッターをつぶすようなことをしては、なにもかも失うことになるのではないか。

そんなマスクの意図とは別に、もしツイッターがなくなったら、どんな影響が起こるのか、様々な立場から推測がなされている。もっとも有力な意見は、ツイッターはいまやある種の公共財になっており、人々の生活にとって欠かせない機能を果たしている。とりわけ、コミュニケーション上の公共空間を提供し、その公共空間が現在の世界における民主主義的な動きを支えていることから、ツイッターの死滅は、民主主義の後退につながるのではなか、というものだ。

それに対しては、ツイッターがなくなれば、それにかわるコミュニケーション・サイトが生まれるだろうから、別に大した心配はないという反論もある。じっさい、マスクのやり方に反発するユーザーが、ママトドンとかポストとかいった別のソーシャル・ネットワーク・サービスに乗り換えているという。

それにいまでも、ツイッターの影響力は決定的なものではない。ユーザーの数ではフェースブックのほうがはるかに上だし、また、コミュニケーションの発信力のうえではユーチューブにかなわない。たしかにツイッターには、情報発信の速報性という強みがあるが、そういうものを含めて、ツイッターがなくなったからといって、その穴がまるで埋まらないということはおこらないだろう。

そんなわけで、マスクが考え直さない限り、ツイッターが死滅する可能性はかなり高いと思うが、それによって、世界が困惑する事態が起こることはないようである。





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