イヴ・アレグレ「美しく小さな浜辺」:ジェラール・フィリップ主演

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1949年のフランス映画「美しく小さな浜辺(Une si jolie petite plage イヴ・アレグレ監督)」は、どうということもない、駄作といってよい映画だが、若い頃のジェラール・フィリップが出ているので、フィリップ・ファンにとっては見逃せないということだろう。

海辺の小さなホテルを舞台にした人間劇である。フィリップ演じる青年がそのホテルにひとりやってきてしばらく滞在する。その青年を追って得体のしれぬ中年男がやってくる。青年は謎に満ちた行動をするので、観客は想像力は掻き立てられる。やがて青年は、ホテルの女中と愛し合うようになる一方、孤児でこのホテルの下働きをしている少年を気に掛けるようになる。あとからやってきた中年男は、この少年を使って、フィリップの留守の間に部屋に押し入り、なにかを探そうとするがみつからない。

そんなわけのわからぬ事態が進んでいる間に、青年の過去があぶりだされる。かれは一人の有名な女性歌手を殺害して、逃走中の身だったのだ。殺したわけは、その歌手に奴隷扱いされていたことへの憤りだった。青年は、いったんはベルギーに逃げようとするのだが、どういうわけかホテルに引き返し、下働きの少年に向かって説教をしたあと一人浜辺をさすらうのである。

このあらすじからわかるとり、じつにつまらぬ映画である。ただ、ニヒルな青年を演じたジェラール・フィリップの表情が、女性ファンにとってはたまらぬ魅力かもしれない。






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