日本のGDPがドイツを下回るとすればそれは円安のせい

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日本経済の長期停滞が続いている。この調子だと数年以内に、GDPの規模がドイツに追い抜かれ、現在の世界第三位から第四位に後退するだろうと予想されていた。ところが、もしかしたら今年中にもドイツに追い抜かれる可能性がある。その原因は、目下進行中の円安だ。円安が進んだことで、日本経済全体が割安となり、ドイツよりも安くなってしまうのだ。

GDPはさまざまな要素からなるから一概にはいえないが、それでも人口でドイツに上回る日本が、そのドイツに抜かれるというのは穏やかではない。ドイツの人口は約8300万人で、日本の7割以下である。それなのに日本よりも大きなGDPを誇るようになるのは、経済パフォーマンスがいいからだろう。

日本はすでに、一人当たりGDPでは、韓国を下回る世界第35位である。G7諸国の中では最低だ。これは日本の国力が劇的に低下していることを物語っている。かつて世界の優等生といわれた日本がなぜ、ここまで落ちぶれてしまったのか。

日本経済を立て直すと豪語しながら行われたアベノミクスが、日本経済をさらに悪化させたことは、いまでは誰も否定できまい。その中でも、黒田日銀の狂気じみた金融政策が円の価値を毀損し、それが日本をいっそう割安にしたことは間違いない。アベノミクスはまた、巨額の政府債務負担をもたらし、日本は今や債務奴隷に境遇におちいりつつある。こんな調子では、ドイツに抜かれるばかりか、国自体がおかしくなりかねない。ところがこの国の指導者たちにはそうした自覚があるようには思えない。目先のことにとらわれて、先のことがまったく見えていないようにうつる。





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