蓴菜池で鴨と戯れる

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小生は例年中山法華経寺に初参りするのであるが、今年は趣向を変えて市川の弘法寺に詣でた。法華経寺同様日蓮宗の寺である。戊辰戦争の際には、官軍・幕府軍双方が拠点の一つとした。幕府軍は撒兵隊がここに本営を設けて官軍を迎えうち、ここに市川・船橋戦争が勃発した。この戦争で、市川から船橋にかけて、佐倉街道沿いが官軍によって焼き討ちされ、一帯は焼け野原となった。たまたま、この戦争の直後佐倉街道をとおりがかった依田学海が焼け跡の様子を目撃している。

市川駅から歩いて弘法寺に向かう。二十分ほどして山門に到る。山門は小高い丘の上にあり、急な石段を登って境内に入る。境内にはかなりな人が集まってきていた。大黒堂を拝してのち、墓地を散策し、苔を掃う。墓地は丘の東端に位置しており、市川真間から国府台にかけての市街が一望できる。眼下には手児奈の霊堂を見下ろす。

弘法寺から再び歩いて蓴菜池に向かう。実は今日の目当ては蓴菜池をたずね、水鳥と戯れることにあったのだった。弘法寺はそのおまけみたいなものなのである。弘法寺から蓴菜池までは、閑静な住宅地をやはり歩いて二十分ほどの道のりであった。

蓴菜池は、南北に長い池で、夏には蓴菜の花が見られ、冬には水鳥と戯れることができる。好事家にとっては、なかなか洒落た空間なのである。

さっそく池のほとりに陣取って水鳥たちに挨拶をする。以前来た時には、数百羽の水鳥たちが出迎えてくれたものだったが、今日は小さな鴨の群れがいくつか散在して水面を泳いでいるようすで、小生に挨拶してくれるものがない。おそらく餌の期待をもてないと馬鹿にしているのであろう。餌をもってきたらよかったと後悔したところだが、それでも横目に小生のほうを見るものがいる。

持参したガラケーのビデオ機能を使って、鴨たちののんびりとした風情を撮影したので、それを是非ご覧いただきたい。

帰路はバスで市川駅にもどり、そこから総武線で船橋に到り、目抜き通りのイタリア料理店で昼餉をとった。正月気分からビールを注文した次第だった。





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