「舞台上の二人の踊り子(Deux danseuses en scène)」と呼ばれるこの作品は、「舞台上のバレーのリハーサル」と同じ時期に、並行して制作されたと思われる。「リハーサル」のモデルのうち、画面右手奥の二人の踊り子が、この絵の中の二人の踊り子とほぼ同じポーズをとっている。
こちらは、アップされている分、人物像の詳細が丁寧に描かれている。踊り子の衣装には花飾りがついているし、髪飾りも色彩鮮やかである。「リハーサル」がグリザイユ画法で地味な色合いなのに対して、こちらは全体に派手な印象を与える。
「リハーサル」同様、やや上部から、下を眺め下ろすような構図になっている。やはり、客席の二階部分あたりから見下ろしたものであろう。
床や背景の壁はざっくりと描かれ、踊り子たちが浮かび上がって見えるように工夫されている。
(1874年頃 カンバスに油彩 62×46㎝ ロンドン、コートールド美術館)
コメントする