
ドガは、踊り子たちが踊っている場面のほかに、休息している姿も数多く描いた。「休息する二人の踊り子(Deux danseuses au repos)」と題されたこの作品は、その代表的なもの。二人の踊り子が、稽古の合間に、稽古場の片隅で休んでいるさまを描いたものである。
右側の踊り子は、片足を長椅子の上に持ち上げて、くるぶしをもんでいるような仕草をしている。左側の踊り子は、背をかがめて、両手を両脚のふくらはぎにあてて、筋肉を揉みほぐしているようである。バレーの稽古は足に負担がかかるので、このようにいたわらねばならないのだろう。
この絵の中の右側の女性だけを描いた作品もある。ドガは、彼女らの仕草にいたく興味を覚えたものと見える。
(1879年 紙にパステルとグアッシュ 45×65㎝ ヴァーモント州、シェルバーン美術館)
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