14歳の小さな踊り子:ドガの彫刻

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「14歳の小さな踊り子( La Petite Danseuse de Quatorze Ans)」と題されたこの彫刻は、1881年の印象派展に出展され、それなりの反響を呼んだ。例によって、善意に受け取るものと悪意に満ちた受け止め方が混在したが、悪意ある批評のほうが多かったという。

顔料を混ぜたワックスで作られている。ワックスで彫刻を作ること自体は珍しいことではなかったが、それはだいたいが本格的なブロンズ像の習作としてであって、完成された作品として展示されることはなかった。それをドガは、独立した彫刻作品として、美術展に出品したのである。

ドガが生前に公開した彫刻作品はこれだけだが、ほかにも100点を超える習作のようなものを残している。ほとんどがワックス彫刻だ。ドガの死後、ブロンズに鋳造されたものもある。

本体はワックスだが、上着、スカート、鬘などは現実のものである。いくつかのヴァージョンがあって、各地の美術館に分散している。それぞれ微妙に異なった着付けを施されている。

(1881年 オリジナル作品の本体は顔料入りワックス 写真のものはパリ、オルセー美術館蔵のもので、ブロンズに鋳造されている 本体の高さは98㎝)
14歳の小さな踊り子,ドガ





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