立法府の腹:ドーミエの風刺版画

| コメント(0)
daumier34.01.hara.jpg

ドーミエは、ルイ・フィリップの下で権力の座に就いた人間たちを、痛快なタッチで風刺した石版画を多く作った。「立法府の腹(Le Ventre législatif)」と題されたこの作品は、そうした風刺的人物画の集大成といわれるものである。

この絵の中に描かれてる人物たちは、1831年の石版画「1831年の仮面」でモデルとなった人物たちである。そこでは洋梨頭のルイ・フィリップを中心にして、計15人の政治家の頭が描かれていたが、その15人に加えて、大勢の政治家がこの絵には登場する。

なお、この作品は、フィリポンが1832年に設立した「月刊石版画協会」の政治風刺シリーズの一環として刊行された。この協会は、風刺画に対する検閲に対抗し、罰金をくらったものへの救済資金として、その収益をあてたといわれる。

(1834年1月 月刊石版画協会 リトグラフ 30.5×45.2㎝)





コメントする

アーカイブ